漢方比較シリーズ:葛根湯と葛根湯加川きゅう辛夷の違いってなに?

漢方比較
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構成生薬の違い

葛根湯

葛根(カッコン)
麻黄(マオウ)
桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)
大棗(タイソウ)
生姜(ショウキョウ)
葛根湯加川きゅう辛夷
葛根(カッコン)
麻黄(マオウ)
桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)
大棗(タイソウ)
生姜(ショウキョウ)
川きゅう(センキュウ)
辛夷(シンイ)

字のごとく葛根湯の構成生薬に川きゅう・辛夷の2味が加味されているものが葛根湯加川きゅう辛夷です。

使い分けのポイント

葛根湯に川きゅうと辛夷が加わったものが葛根湯加川きゅう辛夷なので川きゅうと辛夷の役割を理解すれば使い分けが見えてきます。

川きゅう

セリ科のセンキュウの根茎を湯通しした後、乾燥させたもの。

活血薬に分類される生薬で血の巡りを改善させるとともに、止痛・抗炎症作用もあると言われています。

辛夷

モクレン科コブシのつぼみを乾燥させたもの。

抗炎症、筋弛緩、抗アレルギー作用などを持ち、鼻詰まりに用いられます。

ポイント

この方剤において川きゅうは鼻炎の炎症をとり、血の巡りをよくし、鼻のとおりを改善します。また辛夷も鼻の通りを良くする生薬のため、これら2味が加わった葛根湯川きゅう辛夷は鼻炎による鼻づまりに効果的です。

また使用目標は葛根湯と同じでありますから葛根湯の症のように寒気がするような風邪の引き始めであり鼻炎症状が強い場合には葛根湯加川きゅう辛夷が適しています。

風邪以外にも鼻炎単独でも用いられます。鼻水タイプよりは鼻閉タイプが適していますので、花粉症などでも鼻閉がつらいような場合に効果的です。

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