名前が似てるね。加味ってどういう意味だろう。
かんぽす
加味とは味が加わってるということ。
この場合、味=生薬が加わってるという意味だよ。
なるほど!一味唐辛子と七味唐辛子みたいなものか。
かんぽす
うーん・・・。
今回は帰脾湯と加味帰脾湯の違いについて説明していきます。
文字通り帰脾湯にいくつかの生薬が加わったものが加味帰脾湯となります。
構成生薬の違い
帰脾湯
- 人参(ニンジン)
- 朮(ジュツ)
- 茯苓(ブクリョウ)
- 甘草(カンゾウ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 大棗(タイソウ)
- 酸棗仁(サンソウニン)
- 竜眼(リュウガン)
- 遠志(オンジ)
- 当帰(トウキ)
- 黄耆(オウギ)
- 木香(モッコウ)
加味帰脾湯
- 人参(ニンジン)
- 朮(ジュツ)
- 茯苓(ブクリョウ)
- 甘草(カンゾウ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 大棗(タイソウ)
- 酸棗仁(サンソウニン)
- 竜眼(リュウガン)
- 遠志(オンジ)
- 当帰(トウキ)
- 黄耆(オウギ)
- 木香(モッコウ)
- 柴胡(サイコ)
- 山梔子(サンシシ)
上記のとおり帰脾湯に柴胡と山梔子の二味が加わったものが加味帰脾湯です。
帰脾湯は体力虚弱な人の精神不安や不眠などに用いられる方剤です。
帰脾湯という名前の由来は適応である精神不安や不眠が『脾に帰する』ということからきています。
つまり精神不安や不眠などの症状は『脾』すなわち消化吸収機能の低下によって引き起こされているということです。
碑を補えば精神不安や不眠といった症状の改善につながっていくことから帰脾湯は補気薬がベースとなっている方剤です。
使い分けのポイント
使い分けに関しては帰脾湯に柴胡、山梔子の二味が加わっているものなのでそれぞれの効能について理解すれば自ずとわかってくると思います。
柴胡
セリ科ミシンサイコの根を乾燥させたもので、清熱作用のある生薬です。
柴胡剤を構成する重要な生薬のひとつです。
柴胡は肝の熱を冷ますこと(清肝瀉火)で精神的ストレスによるイライラ・興奮・抑うつなどの症状を緩和させます。
山梔子
アカネ科クチナシの果実を乾燥したもので、清熱作用のある生薬です。
のぼせ、イライラ、不眠などに効果があります。
結論
上記で説明した通り柴胡、山梔子ともに清熱作用のある生薬です。
帰脾湯の適応となる人でのぼせやイライラなどが強い人には帰脾湯よりも加味帰脾湯のほうが適しています。