漢方解説シリーズ:20-防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

漢方解説
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名前の由来

主薬である防已と黄耆の名をとって名付けられた。

構成生薬

  • 防已(ボウイ)
  • 黄耆(オウギ)
  • 朮(ジュツ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)

やや苦みもあるが甘い

方剤解説

生姜・大棗・甘草は脾胃を丈夫にする組み合わせの処方で多くの漢方方剤に入っている生薬ですのでこの方剤の理解には残りの3種類の方剤を考えることが重要です。

防已・朮は水滞を改善する生薬です。

防已は抗炎症、鎮痛、利尿作用がある生薬で、これらの作用には「シメノニン」という成分が関わっています。防已黄耆湯が関節痛などに効果を示すのは防已が関係していると考えられます。

は利水作用のある生薬です。また補剤として気を補う効果ももっています。

黄耆は補気作用のある生薬で皮膚を引き締め、強くし、過剰な発汗を抑える作用を持っています。また利水作用や排膿作用も持ち合わせています。

防已以外の生薬は補気作用を持っている生薬ですので基本的には虚証向けの方剤です。

防已黄耆湯が向いている人は?

虚証おける以下の症状

  • 多汗症
  • 水太りタイプ(洋ナシ型)の肥満
  • 膝関節症
  • 下半身のむくみ