漢方解説シリーズ:57-温清飲(うんせいいん)

漢方解説
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名前の由来

血を補って体を温める作用と体の熱を取り除く作用(清熱作用)をもつことから命名された。

構成生薬

  • 当帰(トウキ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 地黄(ジオウ)
  • 黄ごん(オウゴン)
  • 黄柏(オウバク)
  • 黄連(オウレン)
  • 山梔子(サンシシ)

わずかな甘みがあるが苦みが強い

方剤解説

温める作用と冷やす作用といった両極端の作用を持っている方剤です。
なぜこのような方剤かというと温清飲は四物湯と黄連解毒湯の合方だからです。
構成生薬の赤で示しているある生薬が四物湯青で示している生薬が黄連解毒湯です。

東洋医学ではバランスを重視するため温め過ぎたり、冷やし過ぎたりなど一方に傾くのはよくありません。

したがってこのような両極端の生薬の配合がある方剤が存在します。

温清飲の保険上の適用症には月経不順、月経困難、更年期障害などの婦人科系の疾患の記載しかありませんが、実際には皮膚科領域でもよく用いられます。

その理由としては

四物湯が血を補い、血を巡らせる方剤の為、皮膚に栄養を行き渡らせ、皮膚の乾燥を潤します。
黄連解毒湯は、熱を取り除き、皮膚の炎症、かゆみを抑えます。

このふたつの方剤の合法である温清飲はアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患における皮膚の乾燥、炎症、かゆみにうってつけの方剤なのです。

温清飲が適している人は?

精神症状を伴う婦人科系疾患(生理不順、月経困難、更年期障害、PMS)

皮膚の乾燥、かゆみ、炎症がある方

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