漢方解説シリーズ:127-麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

漢方解説
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名前の由来

構成生薬が麻黄、附子、細辛から名付けれた。

構成生薬

  • 麻黄(マオウ)
  • 附子(ブシ)
  • 細辛(サイシン)

苦み、渋み、辛みがあり飲みづらい。

方剤解説

構成生薬が3種類というシンプルな方剤である。

風邪=葛根湯というイメージがありますがこの麻黄附子細辛湯も葛根湯に負けず劣らず風邪に対して使いやすい方剤です。また風邪だけではなく、インフルエンザ花粉症などにも使えます。

構成生薬を見ていくと

麻黄→発汗、発散効果があり、解熱作用を示す。また交感神経を興奮させ、気管支拡張をさせ、咳の症状を抑えたり、抗ヒスタミン効果もあるため鼻炎の症状にも効果があります。

附子→鎮痛、去寒効果があることから体を温め、頭痛や発熱に伴う関節などに効果があります。

細辛→ 鎮咳、去痰、解熱、鎮痛などの効果があり、体も温めます。

一般的に麻黄が入っている漢方は高齢者には慎重に使用しなければいけませんが、麻黄附子細心湯は例外で、高齢者にも使用しやすいです。

その理由としては構成生薬に附子は入っているからだと考えられます。

麻黄の成分であるエフェドリンは交感神経興奮薬で動悸、頻脈、不眠などの副作用が起こりやすいです。

また附子という生薬はトリカブトという毒のある植物の根を加工し、毒性を軽減させたものです。附子の成分であるアコニチンはナトリウムチャネルの脱分極によって交感神経を遮断します。

それぞれが相反する作用で悪い部分を打ち消しあっているため、高齢者にも使いやすいのではないかと考えれらます。

麻黄附子細辛湯が適している人は?

冷え性の方や高齢者の風邪、気管支炎、花粉症、鼻炎