インフルエンザが猛威をふるう季節ですね。
恥ずかしながら私も人生初のインフルエンザに罹り、40℃近くの熱がでて一人自宅で療養していました。
今シーズンからは1回飲み切りタイプの薬ゾフルーザも登場し、ニュースで話題になっています。利便性とは裏腹に他の薬剤に比べて耐性ウイルスがでやすいなんていうネガティブな問題も起こっています。
そんななか昔から使われている漢方にもインフルエンザに効果があるものがあるので紹介していきたいと思います。
インフルエンザとは?
まずはインフルエンザの説明をします。
インフルエンザとはインフルエンザウイルスが原因となって起こる気道感染症です。
普通の風邪と違って、 高熱、寒気、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が現れることが多いです。
ウイルスが原因の為、風邪なんかでよく処方される抗生物質は効果がありません。抗生物質は細菌をやっつける薬です。細菌≠ウイルスです。
話はそれますが、一般的な風邪の多くもウイルスが原因のため抗生物質は効きません。安易な抗生剤の処方による耐性菌の発生が現在、かなり問題になっています。
話を戻します。
インフルエンザの感染経路は飛沫感染、接触感染なので手洗い、うがいでの予防は効果的ですね。
薬に関してあまり知られていないことかもしれませんが抗ウイルス薬を使っても治るのが1日早まるだけなんです。1日だけと聞くとちょっとショックな気もしますがつらい1日が短くなるなら大きいことかもしれません。
インフルエンザには麻黄湯!?
さてここから本題の漢方のお話です。
インフルエンザで使われる代表的な漢方といえば麻黄湯です。
麻黄湯とは
・麻黄
・桂皮
・杏仁
・甘草
の4種類の生薬からなる漢方薬です。
麻黄、桂皮、甘草は葛根湯にも含まれている生薬のなので葛根湯でもインフルエンザに効果があるんじゃないのかと思われるかもしれません。
もちろん葛根湯でもインフルエンザに効果はありますが、麻黄湯は葛根湯に比べ、その名の通り主薬となっている麻黄の量が多いです。
麻黄は発汗を促し解熱をさせる効果が高い為、高熱のでやすいインフルエンザにはもってこいなんです。
ただし、麻黄湯は交感神経を興奮させるエフェドリンが入っているので持病で高血圧、心疾患、不整脈などがある人は注意が必要です。
また実証向きの薬のため、体力が無い方、高齢者などには麻黄湯ではなく、虚証向きの麻黄附子細辛湯のほうがよいです。
麻黄湯の抗ウイルス効果はタミフルと同等!?
麻黄湯はタミフルなどの抗ウイルス薬と比べても遜色がないという研究結果がでています。
そしてさらに麻黄湯のいいところは既存の抗ウイルス薬との併用も問題ありません。
一緒に使って相乗効果が得られるということです。
また麻黄湯は直接インフルエンザウイルスに効くわけではないので耐性などができる心配もありません。
麻黄湯を飲むタイミングは?
インフルエンザウイルスは発症から48時間で体内のウイルス量がMAXになると言われています。
そのため抗ウイルス薬は発症後48時間以内に服用しないと効果がありません。
同様に麻黄湯も効果的な服用タイミングがあります。
それはインフルエンザの初期です。
さらにいえば発熱、寒気、発汗していないときに服用するとよいですね。
長引いているインフルエンザに使用してもあまり効果は期待できません。
インフルエンザの予防には補中益気湯
誰だってインフルエンザには罹りたくないですよね。
インフルエンザの予防におすすめなのは補中益気湯です。
疲れが溜まっていると免疫力が低下し、感染症に感染、発症しやすくなります。
補中益気湯は体に気を補ってくれるため、体の疲れをとったり、免疫力を上げてくれます。漢方薬の栄養ドリンクなんてことも言われることもあります。
感染症の予防、早期回復なんかにはもってこいです。
まとめ
・インフルエンザには麻黄湯。ただしインフルエンザの初期のみ。
・高血圧、心疾患、不整脈がある人は注意。
・体力が無い人、高齢者には麻黄湯ではなく、麻黄附子細心湯
・インフルエンザの予防、早期回復には補中益気湯。