風邪には葛根湯ってホント!?

漢方コラム
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「風邪には葛根湯」

こんな言葉を聞いたことある方は多いのではないでしょうか。

ドラッグストアでも簡単に手に入るこの薬、実は皆さんが知らないこともたくさんあるんです。

それでは解説始めていきます。

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葛根湯とは

  • 葛根(カッコン)
  • 麻黄(マオウ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 生姜(ショウキョウ)

以上7つの生薬からなる漢方薬で古くから使われているお薬です。

桂皮、生姜なんかは一般の方もよく知っているものかと思います。

桂皮は別の言い方をすればニッキ、シナモンですね。桂皮は体を温め、発汗作用があります。

京都のお土産で有名な八つ橋にもニッキが使われてますね。

次に生姜(ショウキョウ)、ショウキョウと言われるとなんぞやと思われるかもしれませんが、スーパーマーケットなんかにも売っているショウガです。

これも体を温める作用があります。風邪のときに生姜をおろして飲んだ事がある方も多いのではないでしょうか。

葛根湯≠風邪 肩こり?じんましんにも?

葛根湯は体温を上げ、発汗を促し、解熱作用を示します。

そのため風邪に用いられることが多いのですがそのほかにもいろいろな症状にも効果があるんです。

例えば 『肩こり』にも使われます

体を温め、芍薬と甘草が筋肉の緊張をほぐしてくれるからです。

芍薬と甘草の2種類だけで構成されている「芍薬甘草湯」という漢方薬もありますが、これについては別の機会にお話しします。

肩こり以外にもじんましんになんかにも使われることがあるみたいです。実際に使われているケースには遭遇したことがありませんが・・・。

麻黄のヒスタミン遊離抑制作用、甘草のグリチルリチンなんかが関係しているみたいですね。

風邪には葛根湯!証に合ってる?

漢方の多くはその人の証(体質)に合わせて用いられるもので、葛根湯にももちろん当てはまります。

葛根湯を飲んで効果がなかった感じた方は葛根湯が証に合っていなかったのかもしれません。合わなかった人は風邪に使われる別の漢方を使ってみてはどうでしょうか。

葛根湯のほかに麻黄附子細辛湯、桂枝湯、真武湯なんかがよく使われますね。

葛根湯に当てはまる証は

比較的体力があり、風邪の初期で、寒気がある人

したがって体力がない(漢方用語で虚証)人には向きません!

そして風邪が進行し、熱が高かったり、すでに汗がでている方にも向きません。

葛根湯の飲み方は?

今回は葛根湯のエキス顆粒についての効果的な飲み方をお伝えします。

熱いお湯に1回の服用量を入れてよく溶かし、人肌くらいになってから飲みましょう。

漢方の多くはもともと煎じて飲むものなのでエキス顆粒も溶かして飲む事をお勧めします。

服用時点については空腹時(食間)です。

胃腸が弱い方は食後でもよいですが、麻黄入っている漢方については注意が必要です。

麻黄に含まれるエフェドリンは食後の服用で吸収速度が速くなり、不眠・動悸・血圧上昇などの副作用が現れやすくなります。

葛根湯の副作用

葛根湯は漢方だから安全。副作用はないなんて思っている方もいるかもしれませんが漢方も薬です。副作用も少なからず存在します。

副作用がでた場合は医師・薬剤師に相談して下さいね。

葛根湯の副作用には

胃痛、吐き気、動悸、不眠、血圧上昇などがあります。

また葛根湯に含まれる甘草には多量を長期で服用すると「偽アルドステロン症」と呼ばれるむくみ、血圧上昇などが起こる場合があります。

甘草が数多くの漢方に含まれる生薬なので複数の漢方を服用している方は注意が必要です。

まとめ

・葛根湯は体力がある人の風邪の引きはじめに有効

・葛根湯は風邪以外にも肩こり、痛み、各種炎症、じんましんにも使われる。

・葛根湯のエキス顆粒は空腹時にお湯に溶かして服用する。

・胃部不快感、動悸、不眠、血圧上昇に副作用に注意。

・ほかの漢方との併用による甘草の多量摂取に注意。

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