漢方解説シリーズ:15-黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

漢方解説
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名前の由来

黄連を主薬とし、熱による毒(熱毒)を改善するという意味で名づけれれた。

構成生薬

  • 黄連(オウレン)
  • 黄芩(オウゴン)
  • 黄柏(オウバク)
  • 山梔子(サンシシ)

とても苦く飲みづらい

方剤解説

構成生薬すべてが清熱作用を持っていて、実証向けの方剤となっています。

黄芩は上焦(横隔膜より上部)、黄連・山梔子は中焦(上腹部)、黄柏は下焦(へそより下部)の熱を取り除く役割があります。

それぞれの生薬に注目してみると

黄連

主要成分のベルベリンは抗炎症、抗菌作用、血圧降下、中枢抑制作用があるほか、苦みも原因にもなっています。

その苦みが胃腸の機能を促進し、消化不良や腹痛、下痢などを改善する効果を持っています(苦味健胃薬)。胃腸薬として使用される黄連湯の主薬にもなっている生薬です。

黄芩

抗炎症、抗アレルギー、肝機能の活性化などに効果がある生薬です。

黄柏

黄連と同様に主要成分にベルベリンが含んでいる生薬です。下焦の熱をとるのに有効です。

山梔子

抗炎症、精神安定、利胆、止血作用がある生薬です。

山梔子が入っている漢方の長期服用(5年以上)では腸間膜静脈硬化症の副作用の報告があるため注意が必要です。

以上4つの生薬の働きによりさまざまな症状に用いられる方剤です。

アトピーや蕁麻疹をはじめとする皮膚疾患や高血圧、のぼせ、出血、イライラ、不眠二日酔いなど適応は多岐にわたります。

黄連解毒湯が適している人は?

体力が中等度以上でのぼせがある人の以下の症状

皮膚炎、高血圧、出血、イライラ、不眠、二日酔い

※二日酔いには水毒を改善する五苓散とともに服用するのがおススメです。

※虚証、冷え性、胃腸虚弱の方には向かない方剤です。