漢方解説シリーズ:40-猪苓湯(ちょれいとう)

漢方解説
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名前の由来

主薬である猪苓の名をとって命名された。

構成生薬

  • 猪苓(チョレイ)
  • 沢瀉(タクシャ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 阿膠(アキョウ)
  • 滑石(カッセキ)

やや苦みがある

方剤解説

5種類の生薬からなるシンプルな方剤で、急性の頻尿、膀胱炎に対してはファーストチョイスとして用いられることが多いです。

頻尿症状に対して使われる方剤は多く、猪苓湯のほかにも五淋散、竜胆瀉肝湯、清心蓮子飲、八味地黄丸、牛車腎気丸などあげられます。またノコギリヤシやニラの種子などの民間薬も使われてきたことからも頻尿に悩まされてきた人がはるか昔から多いことがうかがえます。

構成生薬のうち猪苓、茯苓、沢瀉には利尿・利水作用があり、体の水分代謝を改善することで頻尿症状に効果を示します。

茯苓には利尿作用とともに安神作用ももつことから緊張・不安などからくる心因性頻尿にも効果があると思われます。

滑石には利尿、消炎、止渇作用があると言われており、泌尿器の炎症を鎮め、頻尿と共に起きやすい口渇にも効果があります。

なぜ口渇を併発しやすいかというと頻尿には口渇→多飲→多尿→脱水→口渇といった悪循環を起こしている場合もあるためです。

阿膠は鎮痛、止血作用があり、膀胱炎に伴う、痛みや出血に効果を示します。

猪苓湯は芍薬甘草湯と共に用いることで尿管結石の痛みを緩和し、排石を早める効果があります。

猪苓湯が向いている人は?

急性な頻尿、膀胱炎

口渇を伴う頻尿

膀胱炎に伴う血尿

心因性頻尿

尿管結石(芍薬甘草湯と併用する場合)

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