漢方比較シリーズ:六君子湯と四君子湯の違いってなに?

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かんぽす
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方剤名の数字は入っている生薬の数を表してることが多いんだよ

今回は胃腸虚弱に使用される六君子湯と四君子湯について解説していきたいと思います。

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構成生薬の違い

君子湯

  • 朮(ジュツ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 人参(ニンジン)
  • 大棗(タイソウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 半夏(ハンゲ)
  • 陳皮(チンピ)

君子湯

  • 朮(ジュツ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 人参(ニンジン)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)

見てわかるとおり四君子湯に陳皮と半夏の2味が加わったものが六君子湯です。

六君子湯・四君子湯ともに方剤名の数字より2つ生薬が多いのは太古において生姜、大棗は味付程度と考えられており、生薬の数に数えられていなかったからと言われています。

六君子湯と四君子湯の使い分け

四君子湯は補気剤の基本処方と言える方剤です。

その四君子湯に陳皮と半夏は加わったものが六君子湯なので陳皮と半夏の生薬の役割について理解できれば使い分けも自ずとわかってくるといえます。

陳皮

ウンシュウミカンまたはマンダリンオレンジの果皮を乾燥させたものです。

薬用としては古い(陳)ものほどよいとのことで陳皮という名前がついています。

身近なものでは七味唐辛子にも入っている生薬です。

陳皮には薬効成分としてヘスペリジンが含まれています。

ヘスペリジンには血流改善効果抗ストレス作用などがあると言われています。

また陳皮は東洋医学的に健胃・理気作用があると考えられています。

半夏

サトイモ科のカラスビシャクの根茎を乾燥させたものです。

半夏には鎮吐作用があるとされていて生姜と相性が良く、組み合わせることでより高い効果を発揮します。

吐き気というのは気が逆転している気逆の状態であるから吐き気を改善する半夏には理気作用があるともいえます。

理気作用

上記で説明したように陳皮・半夏には共通点として理気作用があることがわかりました。

使い分けの冒頭で述べたように四君子湯は補気剤の基本処方でありますが、気虚の人に対して気を補うでは不十分です。補った気を巡らせてあげる必要があります。

このような理由から四君子湯は臨床的に単独で用いられることはほとんどありません。

六君子湯は補気剤である四君子湯に理気作用のある陳皮・半夏が加わった方剤なので単独でも用いることができます。

また六君子湯は四君子湯に吐き気止めとして使われる二陳湯(陳皮・半夏・生姜・茯苓・甘草)を加えたものと考えることもできます。

まとめ

六君子湯は補気剤の基本処方である四君子湯に理気作用のある半夏・陳皮が加わった方剤なので単独使用可能です。

四君子湯は理気作用がない方剤なので、ほかの方剤と組み合わせて使わなければあまり意味がありません。