名前の由来
四つの薬物から成っているという意味で名づけられました。
構成生薬
- 当帰(トウキ)
- 川きゅう(センキュウ)
- 芍薬(シャクヤク)
- 地黄(ジオウ)
味
わずかな苦みと甘みがある
方剤解説
血虚を改善する方剤ですが単独で用いられることは少なく、ほかの方剤とともに用いられることが多いです。またさまざまな漢方の基礎骨格になっている重要な方剤です。
温清飲=四物湯+黄連解毒湯
加味逍遥散合四物湯=四物湯+加味逍遙散
猪苓湯合四物湯=四物湯+猪苓湯
連珠飲=四物湯+苓桂朮甘湯
八珍湯=四物湯+四君子湯
その他にも芎帰膠艾湯、十全大補湯、当帰飲子、七物降下湯、疎経活血湯、大防風湯、柴胡清肝湯 荊芥連翹湯などにも四物湯を構成する4つの生薬の入っています。
それぞれの構成生薬について注目してみると
当帰
鎮静・鎮痛、補血・活血作用のある生薬です。
川きゅう
活血作用の強い生薬です。※補血作用はなし
芍薬
鎮静・鎮痛・鎮痙作用のある生薬として知られていますが、補血作用もあります。
地黄
補血・強壮作用のある生薬で、潤いを与える力もあります。※活血作用はなし
『血』は気・血・水のひとつでもある重要なもので、血が全身を巡ることで体に栄養が行きわたり、潤いも与えます。
血虚になるとこの血の力がなくなるということですから疲れ、めまいや立ちくらみ、肌の乾燥、眼精疲労やドライアイ、爪の割れ、抜け毛や白髪、不安感、眠りの浅さ、女性の場合は生理不順や無月経などの症状が起こります。
このような症状を改善するのに四物湯は有効ということです。
四物湯が適している人は?
胃腸障害のない人で皮膚が乾燥しているものの次のような症状
疲れ、月経不順、冷え
※胃腸虚弱がある場合には胃腸によい人参、白朮などが入っている漢方との併用のがよい